夏号の特集
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みんなで支え合って、乗り越えていきましょう!

過度に恐れず、基本的な感染対策をしっかりと

県立新発田病院
 呼吸器内科医師
 感染対策委員長
田邊 嘉也さん

感染防止策の要は医療スタッフの冷静さを保つこと

今年6月の県立新発田病院。多くの外来患者が訪れ、いつもと同じ平穏な時間が流れています。しかし第二種感染症指定医療機関である新発田病院には、新型コロナウイルスに罹患した患者さんが入院しています。
「昨年4月に初めての患者さんを受け入れてから、なんとか今日までやってくることができました。」と言うのは、診療と院内の感染防止策の中心となった医師の田邊さん。感染防止の最も大切なポイントは、「策定したルールを順守できるかどうか」と「過剰反応せず、いかに冷静さを保つか」にあると言います。しかし、受入当初は未知のウイルスだったこともあり、医療スタッフの不安は大きかったそうです。「昨年の春ごろは、医療用マスクや防護服といった物資が不足しました。優先供給を受けていたにも関わらず足りなくなったため、本来は再利用しないものを再利用するなど、新たなルールを作成する必要がありました。さらにアメリカやヨーロッパからは、医療現場の厳しい状況が伝えられてきました。フェイスシールドなどは県内の企業が試作し、それを提供してくださいました。当初の物資不足はこうした再利用や提供品などで、なんとか乗り切ることができました。」
現在は希望したすべての医療従事者がワクチン接種を終え、精神的にもかなり楽になったという田邊さん。「昨年の春ごろは治療法も感染対策も手探りの状態でしたが、患者さんの人数や重症度が当院の受け入れ体制の限界を超えない範囲だったことも幸いしました。昨年夏の第2波までに経験を積み、体制を整えることができました。」

ネガティブな情報に惑わされず、心を平穏に保つことを心がけて

病気そのものより怖いのは、未知の感染症に対する人々の恐怖心だと田邊さんは話します。周囲の過剰な反応は、感染した人をさらに苦しめます。「患者さん自身の心の状態も、さまざまでした。徹底して対策していたのになぜ感染したのかと怒りをあらわにする人、家族にうつしてしまったと自分を責める人、自分の行動を後悔している人。『迷惑をかけた』と泣きながら退院された方もいらっしゃいました。」
現在も患者さんに接し、治療にあたっている田邊さん。誰にも感染する可能性がある中、悲観的な情報ばかり集めて過度に恐れすぎないでほしいとも言います。「私たちにできる最善策は、正しいマスクの着用と手洗い、密を避けること。これらを日常の生活習慣としていきましょう。そして正確な情報を入手することです。変異株の出現もあり、ワクチン接種が進んでも油断はできませんが、ネガティブで不確実な情報に惑わされないようにしていただきたいですね。」

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