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米でカルチャーを起こし、若い人を巻き込みたい

南魚沼市で若手農家とタッグを組んで、生産者と消費者の交流事業を推進。農業の魅力を発信しようと、農作物の販売、農業体験イベントの開催、ジェラートショップ経営など、いくつもの顔を持ち、日本中をエネルギッシュに駆け巡る覺張雄介さん。その活動の原点にあるものは?

プロデューサー 覺張 雄介(がくはり ゆうすけ)さん

Profile / 1980年、魚沼市生まれ。アパレル会社勤務の後、2010年に帰郷し、家業の廣新米穀店を復活。農産物のブランド化、農業体験イベント開催、ジェラート店経営などを次々と事業化し、農業の魅力を発信している。

 30歳までに経営者になろう─それが、20代の覺張さんの目標だった。11年間続けたアパレルの仕事では、販売や店舗運営のノウハウを学び、「いいモノには人を変える力がある、それを伝えることこそモノを売るということだ」と体得。そして、30歳で起業した時、多様な選択肢から米を選んだ。「魚沼生まれにとって、米は誇り。いいモノについてどんなに考えても、これ以上のものはありませんでした」と、覺張さん。魚沼に帰省し、まずはいったん途絶えていた家業の米屋を復活させて4代目となり、米や農作物の販売サイトを開設した。

 この時、友人の米農家の仕事を間近に見て、覺張さんは大きな疑問を抱く。「彼ら農家の志や努力を、消費者は知っているのだろうか。米の価値は正しく伝わっているのだろうか」。さらに、子どもたちは農業の魅力に気付いているのだろうか、と。「農産物とともに、農業の苦労やリスク、楽しさ、やりがいを一緒に販売したいと思いました。また、僕たちの子どもが『父ちゃんの仕事、かっこいい』と自慢できるように、農家の価値を高めたいと」。

▲學張さんが開催した農業体験の様子

 この頃、ビジネスによって持続可能な社会を作り出していこうという活動「リバースプロジェクト」を知り、考え方に賛同。その食部門として、友人の米農家とともに農業プロジェクト「RICE475(ライス ヨンナナゴ)」を立ち上げた。

 消費者に農業を知ってもらうため、田植えから収穫までの米の成長や農作業をWEB で発信。同時に、南魚沼市での農作業体験、県内外で炊飯体験やおむすびを作るイベントを開催。貸し農園や産地視察、研修ツアーの企画にも着手した。都会の消費者は田んぼに入ると農業や食に対する意識が高まり、生産者も、消費者の顔を直接に見て、安全性や品質向上など生産意欲がアップ。活気が生まれたという。

 覺張さんの農業の魅力発信プロジェクトは今年7年目。米から派生して、国産の野菜や果物を使ったジェラート作りにも乗り出した。次々と立ち上げた組織や店は、いろいろな地域のさまざまな人を巻き込みつつ拡大中。そこには確かに、米を核としたカルチャーが生まれている。

■覺張さんのプロジェクト「RICE475」

「米」を通して、農業の価値を高めるために、2010年、米屋の覺張さんと友人の農家とでスタート。ミッションは、生産者のプライドや現場の思いを可視化して、物語を伝えること。

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